市民集会「いま、南山はどうなっているか」

平成22年5月16日、南山問題市民連絡会が主催する大型集会「いま、南山はどうなっているか」が稲城市地域振興プラザで開催されました。


昨年12月の京都大学釜井教授の「(斜面災害)講演会」以来のイベントでしたが、会場いっぱいの参加があり、南山への思い・関心の高さが示されました。

 

執行部からは、南山の工事の現況、この半年の南山東部土地区画整理事業組合との話し合いの状況が報告されました。(稲城市)議会報告として、平成22年度の予算審議の中での南山関連案件について説明をいただきました。

 

又、多くの関連団体からも、最近の活動状況が報告され、理解が深まりました。出席者の皆さんからは、多額の活動資金を寄金いただくと共に、執行部に多数の激励の意見をいただきました。この場を借りて心からお礼申し上げます。

 

市民集会「いま、南山はどうなっているか」要約

開催日時:平成22年5月16日 13:35~15:55 
開催場所:稲城市地域振興プラザ 大中小会議室    
参加者:131名 及び 主催者 

 

1.主催者代表挨拶       南山問題市民連絡会会長 安澤 春雄

  • 12年前に(市内)百村に引っ越してきた。たいへんいい所だと思っている。
    今年も三沢川沿いの桜が見られて幸せだと思っている。5月は目に青葉というが、南山の工事が進み、青葉どころではない様子になっている。
  • 5月3日の読売新聞に、稲城市三中の生徒の投書が掲載されたので紹介する。タイトルは、「工事で削られる山」。
    ”教室の窓から見える山が削り取られています。道を作っているようです。最初は残念だなあ程度でしたが、工事が進むにつれてとってもやるせない気分になってきました。開発を中止できないかとも考えましたが良い案が浮かびません。今でも山を見ると何とかできないのかなと思います。この綺麗な地球の源である山や森林をどんどん伐採していったら、人類は何時かしっぺ返しをくらうのではないでしょうか。窓から見える景色を見るたびにいつも思っています。”
  • 私ども南山問題市民連絡会は、08年4月19日に最初の集会を開催、以降、皆さんのご協力を得ながら、市長宛の「南山東部区画整理事業に関する要望書」署名活動、市議会議長あての「補助金一時凍結と事業計画見直しを求める請願」署名活動、又、稲城市監査委員に「(南山事業への)補助金支出についての住民監査請求書」の提出など活動してきたが、ことごとく退けられる形となってきている。
    そして後で説明があるように南山の工事は進んでいる。しかしながら、「南山東部区画整理事業組合」に事業見直しを求める市民の声を反映させるために話し合いの場が設けられるよう努力すると議会の場で行政から発言があり、09年10月から話し合いが開始された。話し合いはこれまで7回実施されたが、本日はその内容についてご報告したい。
  • 今後も長丁場の活動になると思うが、皆さんのお知恵を拝借しながら稲城の自然環境を守っていきたい。街づくりに参加していきたい。

 

2.南山の工事現況について  < プロジェクターを使い写真や図で説明 >

  • 南山の工事の進み具合についてお話する。区画整理事業での工事の進め方は区画内を三つに分けてそれぞれ約3年ずつかけて、一期二期三期と進め、平成31年に完成予定となっている。
  • 先ず本工事の前に、遺跡発掘調査が行われ、そのための伐採などが実施された。09年5月に起工式があり本工事が開始された。一期工事は、A工区(妙法寺西側サーキット場跡)、B工区(南山グランド跡)で、ここで工事が進んでいる。A工区は造成中で墓苑と学校予定地と言われている。
    平成22年度中完成予定。併せてランド通りヘアピンカーブに抜ける道路も作る計画。B工区も造成中で平成23年度中に完成させ、こちらは保留地としてディベロッパーに売却、分譲地になる計画。
  • この区画整理事業には地震対策として特別の指導を受けている高盛り土工事がある。準備工事として先行確認盛り土実験を行う計画。60mX90m高さ9mの盛り土を10年5月から約1年かけて造成する計画となっている。
  • もう一つ、土砂搬出のお話をしたい。この工事では大量の土砂がでる。当初は青梅の方に運ぶ計画であったが、変更になり約39万立方mの土砂をよみうりランドの敷地内(川崎市)に埋め立てる予定。川崎市議会では、稲城砂埋め立ての安全性確保のため専門家の指導を受けることとしたので、それまでは土砂の搬出ができない状況となっている。


3.組合との話し合いの状況

  • 先ほど会長が若干触れたように、09年2月に議会宛に南山の自然を未来の子供たちに残すための請願を提出した。市民の意見を聞いてリスクの高い事業計画を見直すこと、その間事業を一時凍結することが請願の内容。
    この請願について、市議会の建設環境委員会で審査され3月議会では継続審査となり、6月の建設環境委員会で再度審査された。この時までの請願署名数は26,634名。それでも結果は不採択となったが、審議の中で行政から組合と話し合いがもてる様努力するとの答弁があり、その後数ケ月経て10月から組合との話し合いを開始することとなった。
  • 組合との話し合いに先立ち、南山問題市民連絡会として、組合の事業計画見直しの基本的考え方6項目を纏めた。この考え方を組合にも説明し、これをベースに話し合いを進めている。(6項目の内容は、広報誌#8を参照)
  • 組合との話し合いは初回の10月19日以降今までに7回実施されている。これまでの話し合いのポイントは緑の確保と高盛り土の危険性。緑の確保についての組合の説明は、”緑豊かな街づくりを目指して都市計画プランコンセプトつくりをしている。あるべき姿を描いて国の補助を受けながら推進したいが、まだ具体的なところまで行っていない。”ということである。
    当初考えられていた里山コモンズは実行性がないと考えられている。代わりにコ-ポラティブ住宅の説明があったが、これも広範な実現の可能性は低いものと判断される。
  • 高盛り土の危険性については、「造成工事検討委員会答申書」に対する京都大学釜井教授の見解をこちらから説明し組合の考え方を求めている。

その1:地震の想定強度が一般的な工事の強度であり、南山のようなダム工事に匹敵する工事にはたいへん不安があり想定レベルをレベル2に上げるべきである。
→組合は国の基準に基づいているので問題ないと説明。

 

その2:盛り土に地下水がないこと。これが安全の前提である。答申書では雨が降ったら工事をしないとか、盛り土が終わった時水がないことを確認するよう求めているが、具体的にどうするかやりとりをしている。

 

その3:盛り土の地盤強度は十分な強度が必要で、品質管理を第三者機関が実施すべきである。
→組合は施工管理の中で工事を止める権限のある人がやっていく。その条件については(第三者の)施工管理委員会に全部報告すると説明。

 

その4:降雨量の問題。工事設計は平均降水量で計算されているが、過去の最大雨量で排水できるかチェックすべきである。
→組合はバケツをひっくり返すよりジョウロしとしとの方が危険と説明。

 

その5:排水施設の経年劣化の問題。排水管、排水ブランケットなどは経年による不良化、劣化は考えられるのでメンテナンスが必要。そのための管理会社も必要となる。
→組合から明確な説明がない。

 

現実問題として工事が完了し組合が解散した後、この高盛り土の安全管理は誰がどのように管理してくれるのか。答申書に対応する工事には費用もかかるし、管理機関を設定するにも費用が嵩む。私たちは、こうした費用のかかるリスクの大きな高盛り土は止めて、生態系の残る根方谷戸の保全を訴えている。

 

4.(稲城市)議員団報告

 

  • 平成22年度の予算及びその審議を通じて、南山問題に対する稲城市の姿勢が幾つか明らかになった。
    (特に以下の4項目について詳細説明があったが、ここでは項目のみに留める)

1)平成22年度予算で、墓苑の設計料1,300万円が計上された件
*墓苑の基本計画では府中市3000基分、稲城市500基分を第一期工事の保留地から買い取る予定。
*至近的問題は設計料が折半のこと。根本的問題は南山を壊して墓苑を作る(府中市分をも)是非を市民に聞いてないこと。

 

2)尾根幹線道路から南山に通ずる道が「道路認定」された件
*稲城大橋からきて尾根幹線にぶつかった交差点から南山に向かう道路。
*道路にかかる農地の持ち主や住民にきちんと説明されてない段階での認定は大問題である。そもそも、今でなくてもいいし、南山の事業計画の見直しや変更があったら道路認定はどうなってしまうのか。

 

3)「南山違法工事に関する陳情」不採択の件
*南山工事の中、2haに及ぶ大規模な無届工事が行われていたことが発覚。市議会として決議を行い、行政・事業者に陳謝と対応を公表するよう求めたもの。問題は市議会が行政に対して適正に機能しえているか大いに疑問であること。

 

4)「稲城南山開発残土39万立方mをよみうりランド谷間に埋め立てる工事についての陳情」不採択の件
*川崎市民からの陳情。工事の中止と、東京都と同様の指導を求めたもの。
*埋め立て地下流の菅仙谷地区の住民からすれば当然の陳情と考えられるが、不採択。南山高盛り土工事と同等の危険性が、川崎市民をも巻き込む事態になるかもしれない。

 

  • 南山開発事業に対して稲城市そして多数の市会議員は推進派或いはここまで進んでいるからという容認派である。しかし全国で進んでいる事業でも軌道修正しているところはたくさんある。これができるきっかけは、稲城市政とか議会が変わることが大事だと思う。稲城市長、稲城市議会の力関係によってはこの軌道修正ができる状況にあり、今稲城市は大きな転換期にきている。このことを皆で議論しながら力を発揮できればいいと思っている。

 

5.関連団体からの活動報告

  • 稲城の里山と史跡を守る会
    「今から里山が守れるか」「これから何ができるか」…5つのアクション提案。
  • FoE東京
    (根方谷戸)保安林解除を止める署名活動の協力依頼。
  • ちーむポンポコ
    南山のゴミを学生や社会人で片付けている。費用捻出のためフリーマーケットを開催しているので出店や参加をお願いしたい。
  • 稲城大気測定連絡会
    稲城の大気を測定、発表している。今、東京で稲城の大気が一番汚れている。これから南山の道路が繋がるともっと汚れる。
  • みなみちゃんの会
    里山(南山)を保全するため、下草刈りをやっている。東京都が保全する条件として実際に市民がどれ位保全活動しているかが条件になると聴き活動を始めた。皆で里山を守りたいので参加できる人はお願いしたい。 

 

6.参加者意見交換
 ここでは内容省略。

 

7.南山ホ-ムページの紹介
 ここでは内容省略。

 

8.会計報告とカンパのお願い
 ここでは内容省略。

 

9.閉会挨拶

挨拶内容省略。
特に、毎月第二金曜日に連絡会を開催している。本日いただいたようなご意見をお待ちしていますので、連絡会への出席をお願いしたい。

 

集会の様子が毎日新聞に掲載されました。